最初のマグネミクロマンは、基幹となる素体は同一のモノを使いながらも3つの設計思想に基づいて別々に開発が進められた。
その中の一つ、メティスの開発計画は、日本のカタガイ研究所(※1)で進められることとなる。
開発主任に選ばれたのは、Dr.ハヤシザキ(※2)。
既にニンジャレディ シナという日本を体現したミクロマンの成功例もあり、装備・AIに日本的な要素や思想を取り入れることが開発当初より決められていた。
一番重要なAIには、「禅」の思想が取り入れられ、思考ルーチンに「YAMATO魂回路」が組み込まれた。このAIプログラミングの結果が如実に表れているのが、彼の言語パターンであろう。
武装として用意された剣も、日本のKATANAに倣って片刃のものを採用。
戦闘パターンは、剣豪・宮本武蔵の二天一流の流れを汲む双真流(※3)をベースに構築した。
また、「気合い」や「根性」といった精神論を重んじる日本の思想を意識して、外装甲に精神強化の能力が付与されたことも興味深い。
開発チームは、現代に生きる鋼のSAMURAIを創り上げ、その成功に狂喜した。
だが、この時、今後起こるであろう悪夢を誰も知らない...
※1 カタガイ研究所
茨城県つくば市にある M.I.C.R.日本支部総合技術研究所の通称。
所長である偉大な科学者に敬意を払って、このように呼ぶことが多い。
ちなみに、アトラスはドイツ支部、フォボスはM.I.C.R.本部で開発が進められた。
※2 Dr.ハヤシザキ
武道も嗜む一風変わった研究者。
後に、メティスらの暴走に責任を感じ一人苦悩する...。
※3 双真流
幕末・維新に活躍した剣豪 古沢甚平が創始。古沢は、宮本武蔵の再来と言われる。
『歴史に埋もれた秘剣の謎』八陣書房より
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